このサイトの意義と面倒な苦悩。

自営のフリーランスとはいえ、税務署に申請している屋号を冠したデザイン事務所の公式ホームページなのだから、いかに自分を売り込むか、何が出来て他社と比較してこんなメリットが云々と、まずは営業的なページ作りを体裁だけでもしなければならないものである。
それも、かつてはWebデザイナーの肩書を掲げていた人間が事務所のサイトを移転、リニューアルするというのだ。Web制作を売りにしなくてもプロのデザイナーなのだから、本来なら持ちうる限りのデザイン力を駆使してさぁどうだ! と満を持して公開しなくては営業の放棄と思われてもしかたがない。

なのにどうだ。見る人が見れば「Wordpressを導入しただけで殆どなにもしていない」と分かるこの荒涼としたデザインは。

もちろん営業を放棄した訳ではないし、かつては持ちうる全てを注力して迷走旅社の「デザインは」「理念は」「メリットは」とガッツリ盛り込んだページを制作・公開していたのである。
しかし、自己否定を恐れず現実を考えてみると、例えばここで凝ったセンス溢れるホームページをSEOもばっちりに理念やメリットを訴えたところで、どこの誰かも分からないフリーのデザイナーに「おお! 是非この人に頼みたい」と食いついて貰えるだろうか? 検索結果にズラリと並ぶデザイン会社の砂漠の中でサイトを見ただけで自分を見つけ、選んで貰えるというのが現実的な話かということ。実際、来るのは逆に営業のメールばかりである。

さらに言えば、今の世の中、苦労して作ったホームページよりもFacebookやTeitterなど既成で効率よく人と繋がり、情報を広く伝えられるよく出来たツールがいくらでもある。個人のページで動画を公開して億を稼ぐ人がいるだろうか?

ならば私はせっかく契約したこのドメインとサーバーで何をすればいいのか、と移転に際して頭を抱えてしまったという話で、悩み抜いた結果が「これ」なのである。

という結論をもって、私はホームページの呪縛から解放された。
これからここでは営業にとらわれない活動をしていこう。しがらみと自己顕示に溢れたFacebookや趣味の情報収集ツールでしかないTwitterではやらないことをやっていくとしよう。気がつけば副業に稼ぎに走り、心にもない商品のレビューやアフィリエイトの広告で埋め尽くされているかもしれない。
もしくは何もしないまま数ヶ月、あるいは数年、草も生えぬまま放置されることになるかもしれない。

自分で借りた土地の上で、どうあるべきか? こうでなくてはなどと最初からがんじがらめで彷徨ったところで得るものも失うものも微々たるものである。

迷走は前のサーバーに置いてきたのだ。