デパ地下の回るあれ

非常にどうでもよく、取るに足らない話であるが忘れない間に書こう。

私が子供の頃、日本が昭和の活気に溢れていた時代の話だが、デパートというのは眩しいぐらい夢の詰まった宝島だった。懐古補正がかなり盛られているのだろうが、日曜日、親に連れられ「ちゃんとした」服を着てデパートに行くと言うのは遊園地に行くに等しいわくわくするお出かけだった。

3日ぐらいいても飽きそうにないおもちゃ売り場は勿論のこと、特に興味があった訳でもなかった服売り場から何から何まで、徹底的に磨き上げられた独特の佇まいにフロアを歩いているだけでテンションがはち切れそうになった。

そして、今では高級店・有名店がならぶ上層のレストランフロアには「大食堂」というものがあり、今思えばファミリーレストランをずっと大衆的にしたようなメニューだったと思うが、食品サンプルがずらり華やかに並ぶ、そこで食べるお子様ランチとケミカルな緑色のクリームソーダは、親には申し訳ないが子供心にはホテルのレストランの食事よりも豪華に思えた。

高層ビルもあまりなかった時代の大阪の街を見渡せる屋上遊園地で、小銭を入れると乗馬マシンのように動く遊具にまたがる子供の頃の写真を見て、今の自分にこれほど満足げな笑顔が出来るだろうかとなぜか敗北感を感じてしまった。

さて、そんなキラキラした思い出の中でも異彩を放つ一角が地下の食料品売り場には必ずあった。これが本題なのだが、色んなお菓子が盛られた、恐らく量り売りであろうゆっくりと回転する装置である。記憶の中では燦然と輝いているが、今のデパ地下では見かけることがなく、その詳細がどうしても思い出せない。何かの拍子にその装置のことを思い出し、気になって眠れなくなったのだ。

調べるにも取っ掛かりになるキーワードすら思い浮かばないので「お菓子 ぐるぐる 量り売り」で調べたら、同様に気になっている人たちがいたのか、こんな酷い検索ワードでも色々な情報がヒットした。しっかりWikipediaにも以下のような記述があった。

ラウンド菓子とは、百貨店の食品売り場などで見かける、100種類以上のチョコレートやキャンデーなどのお菓子の置かれた円盤型の販売台(ラウンド什器)がメリーゴーランドのようにぐるぐると回転し、そこからほしいお菓子をかごに入れて、量り売りしてもらうお菓子のこと。

その「ラウンド菓子」が今でも稼働している店はまだいくつかあるようで、同好の士によるレポートもいくつもあり、Youtubeでは小倉の「井筒屋」というデパートが動画を公開している。ちなみに井筒屋小倉店の計量レートは100g=199円(2012年現在)だそうだ。

今でもアレは健在だったのか。

万札握りしめて5kgのお菓子を買うとか大人げないロマンがほとばしる。